クラウドファンディングの基礎からソーシャルレンディングを理解する

ソーシャルレンディングと株式投資型クラウドファンディングの比較

クラウドファンディングはおおまかに「四つの型」に分類されます。その型は、「購入型」「寄付型」「融資型」「投資型」になります。

このうち「融資型クラウドファンディング」に該当するクラウドファンディングが、ソーシャルレンディングという別名で呼ばれています。ソーシャルレンディングについて考えていくにあたって、「購入型」「寄付型」に関してはとりたてて問題にすることはありません。

ですが、「投資型クラウドファンディング」に関しては、「融資型クラウドファンディング」であるところのソーシャルレンディングと混同されやすい傾向がある、という点において、看過しにくい問題を含んでいるといえるでしょう。

混同されやすい「融資型」「投資型」の差異を理解することは、ソーシャルレンディングを始めるまえの基本でもあるといえるでしょう。

融資型と投資型という似て非なるもの

ソーシャルレンディングであるところの「融資型」「投資型」が混同されやすい理由として、「融資型」「投資型」という二つの言葉が非常に似通っているというものが挙げられるでしょう。

この言葉の類似による似て非なるものの混同という問題に関しては、「投資型」という言葉を、より正確に「株式投資型」と記述することによって解決できるのではないかと思います。

ありがたいことに、「融資型クラウドファンディング」には「ソーシャルレンディング」という、「融資型クラウドファンディング」専用の言葉が用意されておりますから、「ソーシャルレンディング」「株式投資型クラウドファンディング」というように併置することで、二つの差異は眼に見える形で明らかになるでしょう。

リターンされるものが根本的に違う

クラウドファンディングは、資金を提供した投資家に対する「リターン」が何であるかによって分類されます。

「ソーシャルレンディング」「株式投資型クラウドファンディング」に決定的な違いがあるのは、この、投資家に対する「リターン」が根本的に別物である、ということで、ほとんどすべてが説明できるでしょう。

「融資型クラウドファンディング」であるところの「ソーシャルレンディング」においては、クラウドファンディング運営会社に対して資金提供をした投資家に対して「リターン」として戻ってくるのは「配当金」になります。
一方、「株式投資型クラウドファンディング」においては、投資家に対して「リターン」として戻ってくるのは「株」になります。

この「配当金」「株」というそれぞれの「リターン」によって、クラウドファンディングは、「ソーシャルレンディング」「株式投資型クラウドファンディング」という二つの言葉に分割されることになるのです。

ソーシャルレンディングと株式投資型のリターンの特徴

「配当金」「株」という「リターン」の違いが見えてくると、それぞれのクラウドファンディングの違いも見えやすくなるでしょう。

「配当金」「リターン」として戻ってくる「ソーシャルレンディング」は(あくまで株式投資型クラウドファンディングと比べて、ではありますが)、「ローリスク、ローリターン」であり、より確実に資金回収を行うことができます。

一方、「株」「リターン」として戻ってくる「株式投資型クラウドファンディング」の場合は、「リターン」として投資家の手元に戻ってくる「株」というものの不安定性によって、「ソーシャルレンディング」に比べると、いくぶんか「ハイリスク、ハイリターン」の性質を持つことになります。

この、リスクとリターンの大きな違いのどちらを「良い」と判断するかによって、投資家は「ソーシャルレンディング」「株式投資型クラウドファンディング」の選択を決定することになるでしょう。

資産運用的にはソーシャルレンディングがより確実

資産運用の観点から考えると、より安定した資産運用を考えているのであれば「ソーシャルレンディング」を、元本割れのリスクをとってでも資産を増加させたいのであれば「株式投資型クラウドファンディング」を選択する、ということになるのではないかと思います。

「ソーシャルレンディング」における「リターン」は、「融資した元本の返済+金利」「配当金」となりますから、爆発的な資金の拡大というのはのぞめないかもしれませんが、大きな失敗もないため、資金回収の面を重視した場合、かなり安心かつ確実な投資ということになるでしょう。

ソーシャルレンディングにおいては、どのソーシャルレンディング事業を利用するか、という選択が最も重要になってくるでしょう。

一方の「株式投資型クラウドファンディング」ですが、これは、もし「株式」に手を出すのであれば、クラウドファンディングという仲介を通さずに、個人の投資家として活動をしたほうがよいかもしれません。

「ハイリスク」を受け入れているのであれば、クラウドファンディング運営会社への手数料などの出費を極力抑えて、「ハイリターン」になりうる利益の幅を可能な限りあげていくことを重点的に考えて戦略的に動くほうがよいのではないか、というのが私の考えです。